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国語力こそ未来を救う光である

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Books ■株式会社梓書院 取締役  前田 司

『ルポ 誰が国語力を殺すのか』
 石井光太 著
 文藝春秋 刊 
 1,600円+税

国語はすべての学問の基礎である。国語力とは、すなわち「考える力」「感じる力」「想像する力」「表す力」とされている。では、その国語力が失われたとき、人はどうなってしまうのだろうか。
『ごんぎつね』で「母の死体を煮ている」と誤読する小学生たち。ちょっとした言葉の行き違いから、殺傷事件までエスカレートしてしまった中学生……。本書の前半では、衝撃的とも言える、国語力を失った子供たちの姿が綴られている。まさに、俵万智氏が帯文で「注意報でなく警報レベルだ。子供たちの現状に絶句した」と語る通りだ。国語力の低下は、学力の低下はもとより、生きる力の欠如をもたらすものだと痛感させられる。

教育現場でも、そうでない場所でも、子供たちの国語力の低下が危惧されて久しいように思う。では一体、誰が子供たちから国語力を奪ってしまったのだろうか。ネットやゲーム、ゆとり教育などが、その原因としてやり玉にあげられるのは想像に難くない。実際、それらが与える影響は少なくないが、はたしてそれだけが原因なのだろうか。

国語力の低下が生きる力の低下につながっているのであれば、逆もまたしかり。国語力を取り戻すことで、未来に光を灯すこともできるのだ。複雑高度化する社会のなかで、生きる力を育む国語力をいかに育むか。全日本人必読のルポルタージュだ。

Books  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.138(2022年12月号)

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プロフィール

前田 司(まえだ つかさ) 
株式会社梓書院 取締役

福岡市出身、福岡大学人文学部卒。2009年福岡の出版社・株式会社梓書院入社、取締役部長を務める。漫画原作家。踊る編集者としてラテンダンス(カシーノ)の普及にも勤しむ。

九州・福岡の老舗出版(書籍・マンガ・電子書籍)企業:梓書院
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