News＆Topics ■トータルケア・システム
トータルケア・システム㈱（福岡市、長武志社長）は、紙おむつリサイクルの実証実験を行っている。期間は令和3年12月から4年2月。
経済産業省の補助事業「令和三年度地域新成長産業創出促進事業費補助金（地域デジタル化支援事業）」に採択され、福岡県内四箇所の保育園を対象に取り組むものだ。
同社は、2005年から病院や介護施設、福岡県大木町など一部自治体の協力を得て一般家庭から大人用の使用済紙おむつを回収、大牟田の「ラブフォレスト大牟田工場」で水溶処理するリサイクル事業を手掛けてきた。処理後の再生パルプやプラスチックは建築資材や燃料として再利用され、また、二酸化炭素排出削減効果も高いことから環境にも優しい事業として注目を集めている。
今回の実証実験は保育園を対象とし、「デジタルを活用した衛生的な保管と効率の良い回収方法の構築」と「デジタルサイネージ（映像）を通じた参加型リサイクルへ」という2つのテーマを設けている。回収ＢＯＸにはデジタルサイネージを設置。使用済紙おむつを投入すると、紙おむつリサイクルが環境にどう関わるかという映像が流れるなど、園児が楽しみながらリサイクルについて学び、参加できるよう工夫している。園内で使用した紙おむつだけではなく、家庭内で発生したものについても持ち込めるようにし、園と家庭両方の負担軽減も図っている。
回収BOXには、連携事業者である凸版印刷㈱（東京都）のシステムが採用されている。使用済紙おむつは、水分を多く含むため焼却処理には大量の燃料が必要となり、結果、二酸化炭素の排出も増える。持続可能な社会づくりのためにも普及して欲しいものである。
当世ビジネス芯話 Bis・Navi（ビス・ナビ） Vol.128（2022年2月号）
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