■繁栄の法則 編集人 宇野 秀史
大半の人にとって、自分の最大の関心事は自分の事です。ですから、人との良好な関係を気づくためには、相手の名前をフルネームで覚え、相手が欲していることを理解することは非常に重要なことであるといえます。ただ、相手が欲していることは、場面によっても変化しますから、それを知るためには観察する、あるいは、聞くという行為が欠かせません。特に、話を聞くという行為は、人間関係を構築する上で最も重要なものの1つです。
人は誰だって、他人の自慢話や自分と関係のない話を長時間聞かされると嫌になります。しかし、自分の話は聞いて欲しい。だから、自分の話を聞いてくれる人のことを疎ましく思いません。それどころか、好感を覚え、信頼を寄せることもあります。そのことを、アメリカの小説家ジャック・ウッドフォードは、次のような言葉で表現しています。
「どんなほめことばにも惑わされない人間でも、自分の話に心をうばわれる聞き手には
惑わされる」
短い言葉ですが、実に的を射た表現です。傾聴という言葉が当てはまるのでしょうが、実行するのは案外難しいものです。中途半端に話を聞いていると、それは相手にも見透かされます。相手が人生経験の豊富な人であれば、なおさらです。心から興味を持ち、共感、感動していることが相手に伝わらなければ、あなたが相手を惑わせる存在にはならないといえます。
聞き方のテクニックなどを身に付けることも有効ですが、相手の話を最後まで全身で聞くという姿勢で正対することが最も重要であると考えます。自分の話を全身で受け止めてもらえたら、今度は、相手の話を聞こうという気になりますね。
これは、初対面の相手と信頼関係を築きたい、クレーム対応で相手の怒りを鎮めたい、協力を求めたい、相手の本音を聞きたいなど実に様々な場面で効力を発揮しますから、是非、身に付けていただきたいものです。
プロフィール
宇野 秀史(うの ひでふみ)
Bis・Navi(ビス・ナビ)編集人
昭和40年5月生まれ、熊本県出身。熊本県立第二高校、京都産業大学経営学部卒。出版社勤務を経て、独立。2017年7月、月刊ビジネス情報誌「Bis・Navi(ビス・ナビ)」を創刊。株式会社ビジネス・コミュニケーション代表取締役。
歴史の知恵、偉人や経営者が残した知恵を綴る。また、経営者の知恵を後継者に伝える、知恵の伝承にも取り組む。
著書:『トップの資質』(梓書院、共著)、『田中吉政』(梓書院、解説)、『田中の田中による田中のための本』
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