エンタメのチカラ ■レジリア 代表 西 高一郎
毎年大きなスポーツ競技の大会の現場でお世話になっていて、今年もその現場へ行ってきました。TVや各種メディアでもたくさん取り上げられる本当に大きな大会で、僕も大好きな現場の一つです。大きいだけに想定外なことも色々おきますが、本当に出場の選手も観戦の来場者もとても満足度が高いと聞いています。どうしてそれが可能なのかなと、改めて考えてみました。
そもそも、スムーズな現場の対応に対して必要なものには、一般的に大きく2つの流れがあると思っています。文字に起こすと当たり前すぎて全く面白くないのですが、
1つは環境、ルール作り=システム。もう1つは個々の経験の積み重ねです。大きなチームではこの経験の積み重ねが集められて、1つのルールとなり運営方針、接客方針が資料として可視化されているものが一般的です。
今回、話題にしたいのはそこではなく、資料に未掲載でも、経験のある人がポジションを守るとトラブルが起きない(起きにくい)という部分です。
この場合、経験から先の見立てがより正確になり、資料の内容と目の前の現実のギャップに気付いて、修正をかけた対応が可能です。トラブルが起きるシステムだったものを、トラブルが起きないシステムに修正をかけて実行しているということです。
人には個人差があり、まして価値観も様々なので、ポジションごとに全てを個別に、個々人に任せてしまうと対応にばらつきが出てしまいます。これだとヒューマンエラーが原因でトラブルにつながります。だから、現場では誰が対応しても同じ成果、結果を出せるように環境、ルール=システムを用意して臨みます。
現場トラブルの原因をシステムにエラーを求めて解決を図ることで同じトラブルの発生を減らそうということです。
しかし、そうは言っても現場は水物。常に変化するため、何らかの事情で、その用意したシステムが機能しない部分が発生します。そこを先周りして修正したシステムを人が用意して、結果システムによるエラーを防ぐ。トラブルが起きないから余裕を持って対応したり、緊急事態時に専念した対応ができるようになる。
このトラブル回避の良循環サイクルが起きている時は本当に現場の空気が良いなと思います。必ず起きるヒューマンエラーの防止にシステム(ルール)を用意するが、そのシステムのエラーを改善できるのは結局人だよな、ということを。
エンタメのチカラ Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.159(2024年9月号)
プロフィール
西 高一郎(にし こういちろう)
レジリア 代表
1971年生まれ。長崎県佐世保市出身。佐賀大学卒業後、イベント企画や WEB製作に携わる。2012年5月レジリアを設立。イベント制作・運営を軸 にWEBコンサル、制作ディレクションを手掛けている。特に、イベント 製作・運営では、プロモーションイベント、スポーツイベント、講演会などを中心に企業単位のものから大型のイベントまでこなす専門家と して九州内外から依頼を受ける。
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