経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

意味のない悩みは時間の無駄

ビジネス徒然草

ビジネス徒然草  ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二

私自身中堅会計事務所を経営しておりますし多くの経営者ともお会いします。
経営者の悩みは尽きないものです。むしろ無限といっても過言ではないでしょう。それだけ経営に終わりはないという事だと思います。
例えば急に大量の従業員の離反が起きた場合、会社の乗っ取りにあった場合など究極に近い悩みにぶつかると思います。

朝会社に行ってみると従業員がいない。取引先からも何の反応もない。調べてみると多くの従業員が別の会社を設立して取引先などにも連絡をするなどして契約上の地位も変更しているなどが起きたとします。つまり会社乗っ取りです。この場合、首謀者を訴えるなどの法的措置は不可避です。ただ、会社は元には戻らず金銭的解決が通常でしょう。このようなケースはとても悩みが深く、なかなか耐えにくいものでもあります。再起を期すとしても時間が必要です。

一方とても勉強になるケースでもあります。なぜ会社乗っ取りが起きたのか、深く反省する機会ととらえられます。従業員は大切にしてきたのか。取引先も大切にしてきたのか(取引先も大きな意味で共謀とも言えます)。自分は会社に対して誠心誠意頑張ってきたのか。従業員のためではなく自分のために会社を利用していなかったか。そもそも遊びすぎではなかったか。これらを深く考える契機としてとらえればきついですが復活できると思います。これらの悩みは意味のあるものに変わると思います。ところが、裏切った従業員を恨んだり、自分の不幸を嘆いたり、いわゆる他責をしているうちは時間の無駄です。これらを考えているうちは復活はできないものと思います。人間の心の持ちようで大きく変わる例です人間の時間は有限ですのでつらいときの時間をどう過ごすかがとても重要ではないかと思います。酒浸りの日々など論外です

信頼していた部下が離反した場合も同じです。自分が信頼していても相手が信頼していたかは別の問題です。相手の立場に立って物事を考えれるか、そして行動できていたのかを深く考える良いきっかけになります。この場合に裏切り者呼ばわりなどはこれもまた論外です。
ある経営コンサルタントの方が言いました「電信柱が丸いのも、郵便ポストが赤いのも経営者の責任と思え」
このくらいの気持ちが会社を前に進ませる気持ちではないかと思います。時間は有限ですから。
経営者の皆さんはどう思われますか?

ビジネス徒然草  Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.158(2024年8月号)

プロフィール

藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表
1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)

アネーラ税理士法人
福岡・天神・佐賀・北九州・東京・横浜の6拠点に事務所があります。総勢130名余の専門家グループ税理士30名(有資格者含む)、公認会計士10名が集結結した九州屈指の専門家が在籍するアネーラグループ。



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画像は2024年8月号です

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