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一時払終身保険

経営者と税理士と節税

経営者と税理士と節税   ■井上税理士事務所 所長  井上 伸一

以前は、一時払終身保険について相続対策としてお話ししましたが、今回は違った視点からご紹介します。
一時払終身保険とは、契約時に保険料を1回で支払う終身保険のことをいいます。保険料を月払・年払など分割で支払うのではなく1回で支払うことで、保険金額が同額の終身保険よりも保険料を安く抑えることができます。また、20年、30年かけて分割で払い込む保険料を契約時に1回で払い込むため、まとまったお金を用意しておくことが必要です。

一時払終身の特徴は主に3つあります。
①一定期間経過後の解約は、払込保険料よりも解約返戻金が上回る。
②死亡保障として保険金を受け取る手続きが簡易。
③相続対策として有効。

また、③のメリットも主に3つあります。
ⅰ納税資金の準備
ⅱ非課税枠の利用による財産評価減
ⅲ遺産分割の対象外

今、売れているのが、ドル建ての終身保険です。アメリカの国債等を基に運用しているので、現在は高い利回りとなっており、ドル建ベースですが、20年据え置くと当初の払込保険料の2倍以上(ドル建ベースで)となる商品もあります。ドル建ですので、払込時に比べ、受取時に円高になっていると損が発生する可能性もありますが、契約時のどれくらいの円高になれば損をするのかが分かりますので、判断の安心材料もあります。
簡単な手続きで保険金の受取りが可能なので、相続税の納税資金の確保にも有効です。また、生命保険金には法定相続人の数に応じて非課税枠がありますので、現金で保有してるよりも相続財産として評価減される場合があります。

本来、生命保険金は相続財産ではない(税法上はみなし相続財産となります)ので、遺産分割の対象にもなりません。
資産形成の1つの方法としてご検討ください。

経営者と税理士と節税  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.157(2024年7月号)

プロフィール

井上 伸一(いのうえ しんいち) 【税理士】
井上税理士事務所 所長
昭和46年、福岡県生まれ。長崎青雲高等学校、立命館大学法学部卒業。
平成11年、税理士登録。平成23年、井上税理士事務所開業。
中小企業の経営指導のほか、企業経営者・医師等に向けて各種セミナーを行う。

URL http://www.itax.jp/

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画像は2024年8月号です

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