ミレニアル紀行文 ■石田眞穂
より良いものをお手頃価格で顧客に提供するため激しい企業間競争が行われており、現代は機能面や価格での差別化が難しくなっています。それゆえ誰かからの「口コミ」や「おすすめ」は、人々の「買う理由」に以前よりも大きな影響力を持つようになりました。
先日、上記のような「新しいヒットの仕組み」をマーケティングの仕事に活かすため、今瀧健登氏著書の『エモ消費 世代を超えたヒットの新ルール』という本を読みました。Z世代を入り口に全世代に商品やサービスをPRする方法が丁寧に解説されており、非常に読み応えのある本でした。
私は特にこの本の中で、消費者に自分事化してもらうために60%の共感を目指す「エモ」という考え方に自分が知らず知らずのうちに踊らされていることに驚きました。
「エモ」をひと言で表すと、「ハッピーな共感」。より多くの消費者が同じような経験をしており、わかる!あるある!と頷けるリアリティがありつつ抽象的な(ここが難しい)訴求が要だそうです。日常の共感できることに着目し、そこにビジネスを見出すという仕組みは昔から変わっていません。ですが、それを誰かに「口コミ」や「おすすめ」を通して共有したいと思わせる商品、誰かにプレゼントとして送ってこれいいよね、と共感したくなる商品作りが令和のヒット商品のヒントを握っているのかもしれません。
ミレニアル紀行文 Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.157(2024年7月号)
プロフィール
石田眞穂
1996年生まれWEBライター。先日友人に2m近い大きさのアザラシのぬいぐるみをプレゼントしました。一見汎用性もなければ部屋で邪魔なばかりですが、白いもふもふが家にあって最高だよね、という気持ちを共有したくて『エモ』に踊らされました。
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