ビジネス徒然草 ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二
経営とは何だろうか?
いつも考えます。書籍では経営とは他人と一緒に事を成す。事業目的を達成する様を言うなど微妙に違う内容がいろいろ書かれています。ここで基本に返って考えてみますと経営の本質は次のように思えます。
- 利潤追求という目的がある
- 目的のためにどうやればいいのかの仮説を立てる
- 仮説を実行する
- 失敗すればさらに仮説を吟味検討して次の成功への仮説を立てて実行する。
これらの繰り返しが経営ではないかと思います。まさに、「経営に終わりはない」です。
このレベルが会社の違いなのではないでしょうか。大きく飛ぶには大きく屈めというように経営者の能力、実力で成功の程度は違うと思いますが基本的に上記の順番を実行していくのが経営だと思います。大きく儲けて大きく社会貢献できれば会社は長く続きやすいというのもこの流れで理解できるかと思います。
この仮説の立て方が非常に重要です。いい加減な仮説ではいかに実行しても失敗確率が高いからです。一方、優れた仮説を立てるには凡人には勉強と経験が必要でもあります。優れた仮説を立てるにはまずはとにかく勉強です。書物という大きな武器が身近にあります。また、海外への留学という大きな体験も勉強になるはずです。人との出会いもまた大切と思います。生きている時間は限られていますので大きく伸びるには大きく伸びるきっかけとなる人と会わなければならないです。これらを通して「仮説を立てる」という事だと思います。この仮説には経営者自身の納得が最後の砦です。よしこうやれば必ずこの成果が出る。この気持ちだと思います。
この仮説が立てられれば次は実行です。仮説の段階で実行可能なものになっているはずですのでひたすら実行していく。粛々と実行していく。その結果として成果が出ると思います。例えば社内で接遇勉強会を1年間毎週実施する。そうするとお客様対応レベルがアップして結果として利益率が1%上がるという成果が得られる。
この繰り返しが経営ではないかと思います。利益はお客様に対するサービス力の合計であると明確に定義すべきです。内はあんまり儲けなくてもいいという言葉は甘えです。踊り場もあるでしょう。高い壁もあるでしょう。しかし、頑張っている人はだれかが見ています。きっちり仮説を立て実行して失敗すれば反省して次の仮説を立てる。無限に続きます。
経営者の皆様は仮説を吟味検討していますか?
ビジネス徒然草 Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.156(2024年6月号)
プロフィール
藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表
1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)
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