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学術系催事について考えてみた

エンタメのチカラ

エンタメのチカラ  ■レジリア 代表 西 高一郎

エンタメには数多のジャンルが存在しますが、僕はその中でも学術系のものに携わる機会がそこそこあります。その時に思うことがあったので今回はそれを共有しようと思います。予算作りの話なので、いろんなシーンで転用できるので、あなたの何かの参考になれば幸いです。

まず現状として学術系催事の多くの場合予算財源は、ざっくり4種です

  • そもそもの団体の研究費及びその延長上
  • 公的機関や各種団体からの補助、助成金
  • 企業などのスポンサー料(一般募金など含)
  • 参加費やチケット収入、グッズの販売益など

ここで変動幅が大きいのは③と④で、この分野をどれだけ大きく取れるかが、予算枠拡大の差です。(前提として業界や元々の資金力の差があるのは事実です)

一般の我々の生活とは直結していないように感じる学術系催事ですが、それに準じた講演会、シンポジウムなどは一般参加可能なものも多数あり意外と日常に溢れています。
制作から携わるとよくわかるりますが、一部を除きとにかく予算がない。理由は財源の小ささです。自論ですが、多くは、いわゆる金銭的収益が目的ではない(催事の実施のリターンが収益に直結していない)ため投資としてのお金が回し辛い=予算をつけ辛い。これを大きな理由の一つと見ています。

さてビジネス界には「集客の法則」というものがあり、人が一定数集まる場所には、種々のビジネスチャンスが生まれる傾向があると言われています。集客数が確保できる目処があれば、前述の③や④が確保しやすくなりますね(鶏と卵どっちが先かと言う議論は残るが)
来場者は会場で手に入る何かを求めて参加の是非を決めるので、エンタメの力を活用すると“会場へ行く“という選択が取りやすくなります。
照明や音の空間演出。本題から一般生活への有益な関連情報と活用手段。そして未来へのワクワク。内容は将来的な何かや、今をより良くする何かとなりますが、それを使って、“今この空間に来て良かった。また来たい”と感じられるリターンを来場者向けに意図的に作り上げる。
この意図的リターンが来場者の日常のスパイスとなり得る構成を意識すると、改善できるところが沢山見つかります。

もう一つは、以前お伝えしたプロセスエコノミーの視点です。内部や業界内の人と協力し、主催以外にも主催側に立てる仕掛けでの予算作りです。プロセスエコノミーについては過去に触れた回があるので、こちらもぜひ参考にしてください。
学術系は、長期的に見て人の生活をより良くする多くの可能性が埋まっています。僕もエンタメの力を活用して一人でも多くの方に触れてもらい、明るい未来へ加速できるようにしたいものです。


エンタメのチカラ  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.155(2024年5月号)

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プロフィール

西 高一郎(にし こういちろう) 
レジリア 代表
1971年生まれ。長崎県佐世保市出身。佐賀大学卒業後、イベント企画や WEB製作に携わる。2012年5月レジリアを設立。イベント制作・運営を軸 にWEBコンサル、制作ディレクションを手掛けている。特に、イベント 製作・運営では、プロモーションイベント、スポーツイベント、講演会などを中心に企業単位のものから大型のイベントまでこなす専門家と して九州内外から依頼を受ける。

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