経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

会社を伸ばすには

ビジネス徒然草

ビジネス徒然草  ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二

私は仕事柄多くの会社を見てきました。私自身小さな会計事務所の代表でもあります。
大きくなる会社には伸びる理由があります。伸びない会社にも理由があります。そこで私が感じた点をご説明したいと思います。

創業期。まずはどの仕事をするのかがとても大事です。当たり前でもありますが今後の人生を決めると言ってもいいほどの重要性を持ちます。今から数十年前まではIT関係の業種はそもそもなかったと思いますが現在はITに多くのビジネスチャンスがあります。これからも生成AIなども含めて多くのビジネスチャンスがあると思います。創業期は人数も少ないと仮定すると組織のことは考えずマンパワーでやればいいのではないでしょうか。

従業員10名~20名程度の時期。ここで一つの転機となる気がします。経営者が少し幅を持つ必要があるからです。自分も考えだけではなく従業員の意向も考えることが必要です。それができない経営者はその程度の人数で必ず止まります。そして多くの中所零細企業はこのくらいの人数です。経営者の幅が狭いからです。ただ、このくらいの人数では組織論よりも経営者の幅を広げることで十分に対応できると思います。頭でっかちの経営者が10人くらいの人数で組織論をぶち上げ失敗している例はたくさんあります

従業員30名程度を超すと組織を考える必要があります。2番手の育成という事かと思います。ただ、すべての段階において経営者より働く人は出てきませんので期待を間違えている経営者になってはいけません。この組織作りはなかなか困難です。日本の中小企業が30名程度の会社が多いのも組織作りが困難だからです。組織作りとは70名程度を前提とすると人事考課に注力する必要があります、また職場の環境整備、人材育成、これらの整備を進めることにより組織作りができていくかと思います。

従業員100名を超すと人事考課、環境整備、人材育成、商品力の強化、次のビジネスモデルの構築など広範な内容に対して経営者と様々な従業員が対応していくこととなります。私は従業員100名を超えてようやく会社と呼べるのではないかと考えています。

間違えやすいのは今やらなければならないことをおろそかにして遠くを見ることです。遠くを見るのは経営者の頭の中だけで十分でしょう。従業員10名しかいないのに組織論に傾倒している経営者はある意味滑稽です。従業員が可哀そうです。
皆さんはどの段階ですか?

ビジネス徒然草  Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.154(2024年4月号)

プロフィール

藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表
1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)

アネーラ税理士法人
福岡・天神・佐賀・北九州・東京・横浜の6拠点に事務所があります。総勢130名余の専門家グループ税理士30名(有資格者含む)、公認会計士10名が集結結した九州屈指の専門家が在籍するアネーラグループ。



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