問合せをじゃんじゃん獲得するホームページの作り方
■株式会社ワイコム・パブリッシングシステムズ社長 田上恭由氏
先日、あるお客様から、「ウェブで予約を受け付けられるツールのセールスが来て、予約がたくさん増えますというのだけど、月3万円の5年リース。どう思いますか?」と聞かれました。「リースで解約できないようにする商品は、中身がない可能性が高いですよ!」とお答えしました。
予約受付ツールは、月額数千円程度でいつでも解約可能なのが当たり前。無料でも受けられるツールが多数あるのに、180万円を途中解約できないリースで組ませること自体、商品力がない証拠です。
別のお客様からは、月額4万円でユーチューブの冒頭の6秒広告で集客できるという5年リースの集客サービスを、営業マンの熱意に負けてハンコをついてしまったと、泣きながらご相談を受けました。
八方手を尽くし、結果的に解約させることができてよかったのですが、作る前から解約不能の契約のハンコだけつかせるなんて、業界の常識にはありません。制作業界では、最終制作物をご提出したあと、「ご請求書出していいですか?」と、成果物の御満足度を確認してからご請求書をお届けするのが普通。OKが出ないと直しが何度も発生し、請求書がいつまでも出せない世界。だからこそ、いいクリエーターだけが生き残れるのです。
ITツールやウェブの制作物は、成果物がすべて。クリエーター当人のスキルや経験値、得意な分野かなどが成果物の品質を決定する世界。いわゆる「職人」が全力で取り組むわけですから、払ったお金が制作者に全部入る仕組みでないと、よいものができるわけがありません。営業マンが入ると、コミッションの分クリエーターへの支払いが減り、質が下がるのも当然です。
制作物のリース販売は異例中の異例
高額コミッション分中身は薄くなる・・
優れたクリエーターには営業しなくても仕事が集まり、そうでないクリエーターは、営業マンが売らないと仕事が集まりません。粗利益を稼いでコミッション稼ぐためには、高くていいものを作る人より、そこそこで安い人に仕事が行くのです・・・。
ITや太陽光、バイオなどの最先端分野では、詐欺まがいの営業がはびこっています。話題にはなっているけど、中身はわかりにくいし、良しあしは素人目では全く判断がつかないものは、詐欺まがい商法のよい商材になりやすいようです。ウェブやITツールがまさにそうですよね。
もし、あなたのところにリースで売り込んでくる人がいたら、こう伝えてください。「そんなによく売れるツールなら、あなたも使ってどしどし売れているのよね。なのに、どうしてそんなに一所懸命営業してるの?」
当たり前ですが事業用商品はクーリングオフは適用されません! ご注意を!
IT時代に乗り遅れるな Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.153(2024年3月号)
プロフィール
田上 恭由(たがみ やすゆき)
㈱ワイコム・パブリッシングシステムズ 代表取締役
「ふくおか経済」記者・営業、中古車情報誌編集者、システム開発者を経て、平成9年個人創業、翌年法人成りして現職に。上級ウェブ解析士、採用定着士。小規模事業者のウェブサイト構築実績は七百件以上。顧客獲得や採用の課題を解決する手法に定評がある。IT導入補助支援事業者、認定支援機関として、補助金獲得実績も多数。
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