経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

頑張った人が頑張った報酬になっていますか?

ビジネス徒然草

ビジネス徒然草  ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二

表題のように頑張った人が頑張った報酬へは永遠の課題でもあります。日本は高度成長の下でいわゆる日本的経営を推進してきました。そこでは、いわゆる企業カプセルとして終身雇用、年功序列が重視されてきました。企業カプセルを前提としての頑張った人が頑張った報酬をイメージすると次の表になるかと思います。

つまり新入社員のころは年収のほうが労働力委よりも高い。中堅になると労働力が年収を上回る。一定限度の年齢以降は年収が労働力を上回る。
これを便宜的に図に支援して面積を計算すると一生では年収曲線の面積と労働力曲線の面積が同じとなる。これが企業カプセルを前提とした場合のいわゆる頑張った人が頑張った報酬のイメージです。

ただし、現在は企業カプセル、終身雇用が崩れています。その場合どうしたらいいのか?
大きくは2つの方法が考えられます。1つは終身雇用を前提として組織を作り直すことです。日本の良さを再認識していわゆる日本的経営を取り戻すやり方です。

もう1つは、労働力曲線と年収曲線を一致させていく考え方です。これはアメリカ流なのかもしれませんが短期的に働いた分の年収を受け取る考え方です。どちらの方法も十分にあり得ると思います。問題は、年収は日本的経営型で終身雇用をとっていない会社です。これらの会社は実は多く見られます。これは日本の解雇制度とも絡んでいます。日本の場合解雇は非常に難易度が高い。そうすると労働力が年収を下回っていても解雇しにくく年収も下げにくくそのまま在籍している。そうするとどうしても頑張っている人が割を食う。また、終身雇用に経営者も慣れているので大胆な人事考課制度をとりにくい。日本の経済低迷の一因でもあります。

私は日本に1番合っているのは終身雇用だと思います。それが日本人だからです。日本人の特性は移動が苦手。新しい人に会うのが苦手です。終身雇用があっていると思っています。そこに短期的人事優遇制度を加味したいわゆる2元的人事考課制度をうまく構築できた会社が伸びるのではないかと思っています

年収曲線と労働力曲線を接近させながら終身雇用制度を実現する制度を基礎として新しい日本的経営を志向するのはいかがでしょうか?
経営者の皆さん。どうお考えでしょうか?

ビジネス徒然草  Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.152(2024年2月号)

プロフィール

藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表
1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)

アネーラ税理士法人
福岡・天神・佐賀・北九州・東京・横浜の6拠点に事務所があります。総勢130名余の専門家グループ税理士30名(有資格者含む)、公認会計士10名が集結結した九州屈指の専門家が在籍するアネーラグループ。



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