問合せをじゃんじゃん獲得するホームページの作り方
■株式会社ワイコム・パブリッシングシステムズ社長 田上恭由氏
ホームページでの集客って、ITに詳しくないといけない、自分はITは不得手だから無理だ、なんて尻込みされている方、本当に多いと思います。「俺はわからんから、若手に任せとけ」となって、入社年歴が短い、若手の社員さんが担当されることも多いかと思いますが、本当にそれでいいのでしょうか。私の経験から申し上げますと、一番いいサイト作りのやりかたは、経験値や実績を多くお持ちの営業部長クラスのかたを中心に、製造や開発の現場の皆さん、出荷チーム皆さんとともに、力を合わせて作る方法です。
かつて、社員25名ほどのあるメーカーさんで、あることがきっかけで急にできた市場に切り込んでいきたい、九州からだと遠いし、乗り込んでいったところでどこを回ったらよいかもわからないから、ウェブを使って集客したいというご相談をいただきました。
早速各部署から精鋭を集めて、ホームぺージプロジェクトが結成されました。
ウェブ集客のプロジェクトリーダーは、当時40歳くらいの営業部長でした。記事執筆、撮影はすべて私です。ご出張も多い中、なんとかお時間を打ち合わせに割いていただき、大変前向きに取り組んでいただきました。特筆すべきことは、各部門のリーダーの方々に、取材や撮影、座談会までのコーディネート力。ほとんどの企業さんでは、社員さん自身が顔出しNGとなることが多いのですが、快く応じていただきました。
その結果、何が起こったか。地方の小さな工場に、誰もが名前を聞いたことがあるような大手企業や電力会社、地方自治体、公社の調達担当者からの電話が毎日かかってきて、億単位の案件も受注しました。ある国の機関などは、調達担当者が極秘で工場見学にきたりもしました。こうして年間売り上げの半分が、ホームページからの新規案件で占めるまでなりました。つまり、売り上げ倍増です。
商品の良さではなく、商品を作っている人たちの思いを載せていく
商品は、製造部門が作り、営業が売るだけではありません。商品の企画開発や設計、検査、出荷、在庫管理、はたまた代金回収まで、各部署の担当者がいろんな形で関わり、納品にこぎつけます。
特に、製造や開発部門の皆さんは、営業担当から聞いた顧客の要望を受け止め、それを実現するために、納期とコストとの戦いを常に行っておられます。
いかがでしょうか。ウェブ集客の担当リーダーに、ITの知識は必要だったでしょうか。 このように、ウェブ集客力は、ITではなく、雑誌の特集記事のように、相手からどれだけいいネタを引き出し、真実味をもって伝えられるかの勝負です。社員さんの商品づくりにかける思い、そしてそれを話して伝えたくなるよう、社員さんの心を一つにした、営業部長の行動力と人間力なのです。
IT時代に乗り遅れるな Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.152(2024年2月号)
プロフィール
田上 恭由(たがみ やすゆき)
㈱ワイコム・パブリッシングシステムズ 代表取締役
「ふくおか経済」記者・営業、中古車情報誌編集者、システム開発者を経て、平成9年個人創業、翌年法人成りして現職に。上級ウェブ解析士、採用定着士。小規模事業者のウェブサイト構築実績は七百件以上。顧客獲得や採用の課題を解決する手法に定評がある。IT導入補助支援事業者、認定支援機関として、補助金獲得実績も多数。
コメント