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コロナウイルスは 何を我々に教えようとしているのか

弁理士よもやま話

弁理士よもやま話  ■加藤合同国際特許事務所 会長  加藤 久

本来ならば寒い冬が明け生命の息吹を感じられる時期ですが、生命を脅かす新型コロナウイルスが猛威を振るっております。日常生活に支障が出ているばかりでなく、経済は大きく停滞し、株価も未曽有の暴落を続けています。
この状態が数か月も続けば、体力のない多くの企業がつぶれることになり、今後どうなるか本当に不安ですね。この原稿を書いているのは令和2年3月18日ですので、出版されるころには一段落していることを祈りたいと思います。

ところで、新型コロナウイルスは何を我々に教えようとしているのでしょうか。私は、何かを人類に語りかけているように思えてなりません。コロナウイルスも1つの生命体と捉えると、その生命体が自らの生命体と子孫の繁殖を図るために人類を恐怖に陥れているのでしょうか。仮にそうだとして、全ての人類が死滅してしまえば、そこに巣くうウイルスも死滅してしまい、その目的を達成することができません。多くの人が罹患し,なかには死んでしまう人がいることは決して喜ぶべきことではありません。

しかしながら、一方で全人類の危機的状況において、国同士がいがみ合う状況も続いているのでしょうか。かの北朝鮮でも他国を攻撃するどころではありません。そういう観点からみると、新型コロナウイルスは人類共通の敵で、全世界がその共通の敵にむかって一致団結している構図が読み取れます。
これはある意味、世界にとっては良いことかもしれません。

これだけ文明が発達し、医療は多くの病気から人類を救い、健康的で豊かな生活が当たり前だとだれもが思っていたのに、人類が月に降り立つ時代の人類史上最高の叡智をもってしても「新しいウイルス1つ」撲滅させることはできないことがよくわかりました。それほど我々の文明、幸せはもろいものだった、砂上の楼閣に過ぎなかったということに気づかされた気がします。

約20万年前地球に新人類が出現し、そのときから、人類は様々な外敵から生命をまもるために、家屋を作り、武器を作り、防衛をし、医療技術を発達させ、様々な文明を発展させてきました。それは嘘ではないのですが、今回のウイルス騒動を見ていると、20万年前と、生命の脅威に対する防衛力は、本質的にはなんにも変わらなかったようにも思えます。

この新型コロナウイルスの出現と現状の混乱を我々人類は真摯に受け止め、今こそ人類の思い上がりを反省し、明るい未来を作るための良い材料にしなければならないのです。
仮に、今回のコロナウイルスが出現することなく、今のままの経済至上主義が進んでいれば、世界はほかの何かの要因、おそらく人類の「エゴ」だと思いますが、その「エゴ」が産んだ自らの文明によって滅びていたかもしれないと私は思います。

では、どうすればよいか、今我々は、どのように生きればよいか、私にはその答えはわかりません。
ただ、今回のコロナウイルスの出現をきっかけに、多くの人がこの世に生まれてきた本当の使命、この世とは一体何なのかを今一度考えなおし、少なくとも「自分さえよければ他はどうでもよい」「お金を儲ける人が偉い」等々の間違った考え方を少しでも少なくし、「ほかの人を思いやる心」を持つことで、人類の精神レベルが次のステージに上がる1つのきっかけになるのではないかを思っています。
その先に必ずや「みろくの世」が出現するのです。

弁理士よもやま話  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.106(2020年4月号)

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プロフィール

加藤 久(かとう ひさし) 【弁理士】
加藤合同国際特許事務所  会長

1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長1954年福岡県生まれ。佐賀大学理工学部卒業後、福岡市役所に勤務。87年弁理士試験合格、94年加藤特許事務所(現:加藤合同国際特許事務所)設立。2014年「知財功労賞 特許庁長官表彰」受賞、20年会長就任。
得意な技術分野:電気、機械、情報通信、ソフトウェア、農業資材、土木建設、無機材料、日用品など。

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福岡(九州)の特許事務所、加藤合同国際特許事務所では特許出願及び実用新案登録出願の代理業務や意匠登録出願、商標登録出願の代理業務を致しております。お支払いにはクレジットカードもご利用頂けます。

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