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事実と解釈を切り分けることの必要性

明日からHawaii life style

明日からHawaii life style  ■株式会社M&Mパートナーズ 代表取締役 前田 和人


例えば、会議においては「事実」と「解釈」を明確に区別しなければなりません。
事実と解釈を使い分けることにこだわるのでしょうか。それは、「事実」と「解釈」を明確に区別しない会議は、恐ろしく効率が悪いからです。
例えば、営業会議で課題を洗い出して、業績のテコ入れをしたい、と皆が思っていたとしましょう。解釈だらけの会社では、このような形で課題があがってきます。「前田くんのセールス力が低い」「営業マネジャーが、皆の案件をしっかりと把握できていない」「商品力が弱い」

このように、多くの会社では会議の出発点が「解釈」になっていることがよくあります。しかし「前田くんのセールス力が低い」の下に隠れている「事実」を明るみに出さない限り、結局対策は「前田くんはもっと頑張らなければならない」

という精神論に終止しがちです。その場合、往々にして「いや、前田くんはこれでも頑張っているよ。問題なのは前田くんにきちんと指導しないリーダーの伊達さんじゃないかな。」という水掛け論が発生し、会議は恐ろしく非効率になります。

しかし「事実」から出発するとどうでしょう。
「前田くんのセールスの受注単価は現在30万円、トップセールスの鈴木さんは受注単価100万円です。前田くんの受注単価を上げるにはどうしたら良いでしょうか?」という課題になり、もっと具体的な解決策が出てくるはずです。

結局のところ、多くの会社では会議において、「事実と解釈を混同」し、その結果「間違った問いを発し」その中で正しい答えを探そうとすることがよく起こります。また、解釈だらけの会議で決まったことは、誰かが折れたから決まっただけで、建設的な意向交換ができていないので、行動に転換できないということが起こります。決まったことを全員で行動に移していかない。ということがよく起こります。これでは、なんのために会議をやったのかすらわからななってしまいます。

上司としては部下の言葉が事実なのか?解釈なのか?をきちんと把握しないと間違った判断をしてしまうことになります。普段の会話や自分自身が使っている言葉が事実なのか?解釈なのか?に注意を向けるとわかりますが、解釈で話していることが多いと思いますので、試してみてくださいね。

明日からHawaii life style  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.137(2022年11月号)

プロフィール

前田 和人 (まえだ かずひと) 
株式会社M&Mパートナーズ代表取締役
1970年1月18日生まれ、佐賀県出身。88年地方銀行入社、福岡・佐賀の支店勤務を経て2005年に冠婚葬祭会社に転職。現在も冠婚葬祭会社の執行役員兼本部長として13店舗250人超のマネジメントを行なっている。12年1月社内ベンチャーとして株式会社M&Mパートナーズを設立、代表取締役に就任。
著書:『なぜ税理士は経営者の期待に応えられないのか』(かんき出版)。

M&M前田和人 | 企業価値を高め事業の発展をサポートするエンハンス・バリュー・パートナー

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