経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

それ、試されていますよ  ―慎独のすすめ―

当世ビジネス芯話

当世ビジネス芯話  ■編集人 宇野 秀史

仕事や生活の中で、「これって、試されてる?」と感じることはありませんか。例えば、歩いていると目の前に空き缶が転がっていたり、財布や貴重品などの落とし物を見つけた時など、「自分の良心が試されている?」と思うことはありませんか。
普段はゴミが落ちていたら拾う、落とし物を見つけたら届ける人でも他人の目がない時、つい面倒なことを避けたり、自分勝手になって不始末を起こしたりしてしまことがあります。こういった場面は、それほど珍しいものではありませんが、この時、「今、自分の良心が試されているのではないか?」と自分に問いかける瞬間があると思います。

儒教の経書の一つに数えられる『大学』では、「慎独(しんどく)」を説いています。文字の通り、独りを慎むということです。たとえ他人が見ていなくても、良心の下、正しい行いをするということの大切さを教えています。
人間は欲が多く、安きに流されます。だから、「今、自分の良心が試されている?」と思う気持ちを消さないように意識して、他人の目がなくても変わらない行動がとれるよう努めることをが大事ですね。

人目がないと思っても、案外、誰かに見られているものです。経営者は常にだれかに見られているという意識をもって、行動することが求められます。独りを慎むことができれば、隙ができません。トップの考え方や心の在り方は、組織にあらわれますから経営者に隙ができなければ、社内に緊張感が生まれます。社内の緊張感がなくなると、従業員の心にゆるみが生まれ、魔が差して不始末を起こすこともあります。従業員の不始末は経営者が「罪作りな」空気を許したことによる場合が多いといえるのではないでしょうか。
組織に罪を作らないためにも、経営者は「慎独」に努めていただきたいと考えます。

当世ビジネス芯話  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.176(2026年2月号)

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プロフィール

宇野 秀史(うの ひでふみ)  Bis・Navi(ビス・ナビ)編集人
昭和40年5月生まれ、熊本県出身。熊本県立第二高校、京都産業大学経営学部卒。出版社勤務を経て、独立。2017年7月、月刊ビジネス情報誌「Bis・Navi(ビス・ナビ)」を創刊。株式会社ビジネス・コミュニケーション代表取締役。歴史の知恵、偉人や経営者が残した知恵を綴り、経営者の知恵を後継者に伝える活動を行う。
近年は、田中家をテーマに研究を行い「田中家研究家」を自任。
URL https://www.chie-up.com

著書
『トップの資質』(梓書院、共著)、『田中吉政』(梓書院、解説)、
田中の田中による田中のための本 第1巻』 
田中の田中による田中のための本 第2巻』(梓書院)

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