ビジネス徒然草 ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二
よくピンチはチャンスと言います。ピンチになれば火事場の馬鹿力がでるとか、ピンチの時はきつい施策も打ちやすいとか、生き残りのために様々な施策も打ちやすいと言われます。根本に必死になりやすいというマインドの問題があるかと思います。
では、なぜチャンスの時はよりチャンスと言わないのでしょうか?
私は小さな会計事務所を経営していますので多くの経営者と接します。概ね経営は波打ちます。つまり良いときの次の年は厳しくなることが多い、あるいはいい年、厳しいときを繰り返す。そうしながら10年経過後あまり変わっていない会社が多いものです。変わっていないからこそバブル崩壊後30年以上経済成長がないというのも納得できます。ここ30年以上なぜ経済成長していないかは複合的な原因があると思いますが、ここでは経営的観点から述べたいと思います。
なぜ会社は一進一退を繰り返すのか?多くは会社の業績が想定よりも良いと気持ちが緩むのだと思います。そして翌年厳しくなる。そして気を引き締めて次の年は良くなる。これを繰り返す。
ここからの脱却はどうしたらいいのでしょうか?
私は一つの考えですが会社のコンセプトから行動までを論理でつなげているかの見直しが重要ではないかと思います。書籍によればですが、以前日本に進出した初期のスターバックスはサードプレイス(家庭でも会社でもない第3の場所)として、まずは銀座・丸の内・大手町に店舗を構えたそうです。それは一番ゆっくりできるという落差を感じやすい場所だからとのことです。また、食べ物にはあまり力を入れない。それは定食屋さんやランチ利用を恐れたからです。紙コップふた付きが基本であるのにも意味があるとのことです。このように会社の大事な理念的なものから行動までを繋げてみる。それをきっちり刷り込んでいく。その作業をしていくと何が起きるのか。私の考えですが業績か好調で気が緩んだとしても行動にミスが少なくなる。自然に前に進む土壌ができやすい。継続して会社が成長しやすい環境を作れるのではないかという事です。
会社も人間のように気持ちで動くものですが、そこに論理で繋げていくことにより感覚・感情的なものを少なくしてピンチはチャンスからチャンスはよりチャンスという流れを作りやすくなるのではと思います。とても重要なことと信じています。
経営者の皆さんはどう思われますか。
ビジネス徒然草 Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.170(2025年8月号)
プロフィール
藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表
1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)
「Bis・Navi」定期購読のご案内
「Bis・Navi(ビジネス・ナビゲーター)」は、書店では販売しておりません。確実に皆様にお読みいただくために毎月、弊社より直接郵送にて情報誌を送らせていただきます。この機会に是非、お読みくださいますようご案内申し上げます。
<定期購読料>
5,500円(消費税込み)
※1年分12冊をお送りします
※送料は上記料金に含みます
定期購読に関する詳細はこちらをお読みください。⇒「購読のご案内」




コメント