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TOPが取るべき行動の話

エンタメのチカラ

エンタメのチカラ  ■レジリア 代表 西 高一郎

僕は立場上、自分自身は主催者というより、“作りたい、生み出したい”を持つ依頼主のサポートをする立ち位置に立つことがとても多い。それゆえ、いろいろなリーダーや責任者、主催者の立場の方と話をするわけだが、その際にうまくいくプロジェクトとそうでないプロジェクトに決定的な差があることを感じています。
その違いがどこなのか。前回取捨いとはみたいなことを話した矢先、身近なところでチームをまとめたり引っ張るTOP、リーダーの姿はこうだよなとと思えたことがあったのでそのことを紹介しようと思います。

多忙を極めるとある企業の代表の方が、じっくり時間をかけて準備をしスタートしようとしていた新事業が諸般の事情で予定が数ヶ月も早まる必要がおきました。僕も打ち合わせで会って話を伺うわけだが、その日、全てを自分で作成したという数十枚に及ぶ資料が何種類も用意されていた。
会社のロゴや理念、業務内容や前後の関係資料、加えてwebサイトの基本骨子からページの構成案等々、ありとあらゆる情報を自分で整理しまとめ上げたとのこと。
驚きながら、「大変だったでしょう」と尋ねると、「社員は日々業務で一生懸命走ってくれている。新しい事業なので自分が責任持って把握した上でスタートさせるのは、自分の仕事だからね」「でも確かにここ数日は相当集中したなあ」とサラッと笑顔。

当たり前と言えば当たり前でしょう。ただ、ここにあえてこうして書き出したのはその物量やスピードが尋常ではなかったこと。悲壮感漂うわけでなく、ある種楽しんでいるように見えたこと。そして何より、限られた時間の中で、自分自身が進めるべきことだという本人の強い意思と責任感で自らがやるべき事へ全力で動き続けていること。これらが雰囲気でヒシと伝わってきました。

話を戻すが、僕がサポートする事案の多くは、依頼主がいます。しかし残念ながら、プロに頼んだからあとはよろしく。というフレーズとともに、依頼後はノータッチ的な対応が続いていくものが多い。もちろん、仕事で受けた以上は僕も全力で向き合って対応するわけだが、そんな時にどうしても頭をよぎるフレーズがあります。
「やりたいのは誰ですか?」「やろうと決めた人は誰ですか?」です。
僕らは選択肢を与えることはできます。しかし、決めるのは依頼主。そして、その依頼主の対応する姿に心動かされ、僕らも無意識に+αの引き出しを開けることが出来る。そんなことが多々ある。

行き着くところ、人の+αの力を引き出すキッカケは、最後はその関わる人の思いや熱意であり、他人のそれを引き出すのは当人の思いや熱意とその行動からの連鎖ではないか。
僕は常にそれを思し、その度にブーメラン的に僕自身にも鞭を打つことになっています。
組織やチームのTOP、リーダーはこれらを日々の行動で伝えることがあるべき姿なのかなと改めて思った出来事だった。


エンタメのチカラ  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.170(2025年8月号)

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プロフィール

西 高一郎(にし こういちろう) 
レジリア 代表
1971年生まれ。長崎県佐世保市出身。佐賀大学卒業後、イベント企画や WEB製作に携わる。2012年5月レジリアを設立。イベント制作・運営を軸 にWEBコンサル、制作ディレクションを手掛けている。特に、イベント 製作・運営では、プロモーションイベント、スポーツイベント、講演会などを中心に企業単位のものから大型のイベントまでこなす専門家と して九州内外から依頼を受ける。

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