経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

とぼける力

当世ビジネス芯話

当世ビジネス芯話  ■編集人 宇野 秀史

別にふざけているわけではありません。経営者は、この「とぼける力」を磨くことも必要だということです。「とぼける」を辞書で引くと「わざと知らないふりをする」「わざと滑稽な言動をする」とあります。今回考えたいのは、「わざと知らないふりをする」技術です。

経営者は、従業員や部下が「新しい情報です」といって持ってきた話について、既に自身で集めた情報を持っていることも多いと思います。そんな時、「その話は知っているから」とか「それって、こんな話だろう」と話の腰を折っていませんか。案外、気づかずにやってしまいますよね。

聞く方は、既に知っている情報だから時間の無駄だと思ってのことでしょうが、話している人は、「自分の情報は価値がなかった」と感じるでしょう。このようなやり取りが何度も続けば、部下は情報提供や提案をしなくなるかもしれません。
それなのに、社長は「うちの社員は提案してこない」「意見をいわない」といって外で嘆く。そのような光景を何度も目にしました。

「とぼける」技術を磨いていれば、知っている情報でも知らない顔をして部下の話を聞くことができるでしょう。徳川家康にも同じようは話が残っています。若い部下が家康に提案をします。最後まで聞いた家康は部下を褒めました。その部下が去った後、一緒に話を聞いていた重臣が、「先ほどの提案は以前もやってみて上手く行きませんでした。それなのに何故褒めるのですか」と尋ねると家康は、「勇気を出して意見を言ってくるのは大したものだ。あの男はまた提案を持ってくるだろう。提案が詰まらなければ採用しなければいいだけで、それを否定してしまっては次にいい案があっても提案できなくなる」と重臣を諭したそうです。

社長が知っていても知らないフリをできるようになると、活発な意見や情報が飛び交う風通しのいい会社に近づくのではないでしょうか。

当世ビジネス芯話  Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.168(2025年6月号)

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プロフィール

宇野 秀史(うの ひでふみ)  ビス・ナビ編集人
昭和40年5月生まれ、熊本県出身。熊本県立第二高校、京都産業大学経営学部卒。出版社勤務を経て、独立。2017年7月、月刊ビジネス情報誌「Bis・Navi(ビス・ナビ)」を創刊。株式会社ビジネス・コミュニケーション代表取締役。歴史の知恵、偉人や経営者が残した知恵を綴り、経営者の知恵を後継者に伝える活動を行う。
近年は、田中家をテーマに研究を行い「田中家研究家」を自任。
URL https://www.chie-up.com

著書
『トップの資質』(梓書院、共著)、『田中吉政』(梓書院、解説)、
田中の田中による田中のための本 第1巻』 
田中の田中による田中のための本 第2巻』(梓書院)

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画像は2024年8月号です

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