ジネス徒然草 ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二
最近いろいろな方と会うたびに「人が取れませんねー」「東京のメガバンクでは初任給が○○ですね」「ファーストリテイリングでは△△ですね」という内容がまるで枕詞のように出ます。
それだけ切迫してきている状態とも言えます。もちろん全体の就職希望者は減っていると思われます(統計では大卒就職希望者はむしろ増加しています。進学率の増加が影響しているようです)。起業家は多少は増えているようです。
むしろ今後急激に就職希望者は減少していきます。出生率を見ても明らかです。「なかなか人が採用できません」を超えた苦しみが出てくると思われます。
ここで考えてみると、人が足りなくなるとは20年前くらいから言われていました。皆さんご存じだと思います。そうすると手を打つ期間は20年はあったという事です。厳しい言葉ですが、今まだ何していたのかという事です。
良い人を採用することはとても重要です。ネズミはネズミ。犬は犬だからです。
一般に良い人はどんな会社で働きたいでしょうか?
私なりに分析したところでは、場所、待遇、研修体制が3種の神器です。みんな丸の内か大手町で高給できっちりした研修体制の会社で大きく伸びたいのは当たり前です。皆さんの会社はここに近づけるように20年間努力されてきましたか?その努力なしで人が採用できないと嘆くのは自分は馬鹿だと言っているのと同じではないでしょうか。
また、最近は転職が非常に増えてきています。今の若い奴は根性がないという意見もあるかと思いますが、転職とは今の会社を去る、つまり見捨てられたと考えるべきです。せっかく入社されてきた方が去る。それは会社として見捨てられたと十分に考えるべき事柄です。
会社経営は生き残りもしくは発展のために努力しなければ抜かれていきます。20年も前から言われてきたことに対して手を打つのは当たり前でしょう。手を打っていなければ会社経営の資格があるかの問題ではないでしょうか。
しかし、場所、待遇、研修体制はわかるが自分のような小さな会社では難しいと言われる方がおられるでしょう。
4つ目の神器があります。むしろ考えようによっては1番の神器かもしれません。それは社風だと思います。人を大切にする社風です。これを作っていけば「まずは隗より始めよ」のように会社は発展していくと思います
皆さんはどう思われますか?
ビジネス徒然草 Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.165(2025年3月号)
プロフィール
藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表
1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)
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