経営者と税理士と節税 ■井上税理士事務所 所長 井上 伸一
最近、利上げの話題を聞くことが増えました。ゼロ金利時代が終わり、住宅ローン等の金利も上がりつつあります。しかし、日本の金利が上がり始めたとはいえ、まだまだアメリカの金利との差は大きなものがあります。米国ドル建の一時払い終身保険の利率はトランプ大統領当選の影響からか、このところ徐々に上がっているようです。一般的にアメリカの国債等を基に運用しているので、現在は高い利回りとなっており、ドル建ベースですが、20年据え置くと当初の払込保険料の2倍以上(ドル建ベースで)となる商品もあります。ドル建ですので、払込時に比べ、受取時に円高になっていると損が発生する可能性もありますが、契約時のどれくらいの円高になれば損をするのかが分かりますので、判断の安心材料もあります。
以前は、一時払終身保険について相続対策としてお話ししましたが、今回は違った視点からご紹介します。一時払終身保険とは、契約時に保険料を1回で支払う終身保険のことをいいます。保険料を月払・年払など分割で支払うのではなく1回で支払うことで、保険金額が同額の終身保険よりも保険料を安く抑えることができます。また、20年、30年かけて分割で払い込む保険料を契約時に1回で払い込むため、まとまったお金を用意しておくことが必要です。
このところ、資産に少々余裕がある個人や法人が、銀行預金を一時払い終身保険に「置き換える」ことが増えています。銀行の定期預金に預けておいても、わずかな利息しか付きません。また、契約中の円建ての終身保険を解約して、ドル建ての一時払い終身保険に加入する方もいます。
法人が外貨建預金を持っている場合は、期末に為替損益の認識が必要ですが、保険契約は保険金が発生する事故や解約等がなければ、一般的に経理処理を行う必要はありません。
現在お持ちの資産を米国ドル建ての一時払い終身保険に置き換えることを資産形成の1つの方法としてご検討ください。
経営者と税理士と節税 Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.164(2025年2月号)
プロフィール
井上 伸一(いのうえ しんいち) 【税理士】
井上税理士事務所 所長
昭和46年、福岡県生まれ。長崎青雲高等学校、立命館大学法学部卒業。
平成11年、税理士登録。平成23年、井上税理士事務所開業。
中小企業の経営指導のほか、企業経営者・医師等に向けて各種セミナーを行う。
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