経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

同業他社との競争

ビジネス徒然草

ジネス徒然草  ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二

会社経営するうえで常に同業他社との競争にさらされます。同業他社に勝つには通常の能力の経営者であれば深く考えてそれを実行する必要があります。また、考える力をつけるには通常の経営者なら相応の失敗も必要かと思います。競争戦略としてはポーター教授の①差別化戦略②低価格戦略③焦点絞り込み戦略があると言われています。最近の経営学の理論もこの延長上で議論されていると思います。

どの戦略も良いものであれば他社がまねします。まねしやすい戦略であればむしろ他社が追いつき、追いつかれたときには利益が減りむしろ苦しくなっていきます。書籍で読んだだけですがスターバックスは同業他社に勝つためにまねしにくい戦略を考えて、いわゆるサードプレイスという概念を立てたそうです。
会社でも自宅でもない第3の場所。そこにはゆっくりした時を過ごせる場所という考え方です。そうしますと、長居しやすい場所という概念が生まれ回転数はむしろ捨てるという考えとなります。この回転数を捨てるという考えは非常識でもあり、むしろほかの同業者ではまねしにくいものです。回転数を捨てても成り立つ戦略を練ることが次のステップだったようです。しかし、結果は1つの大きなブランドとなりまねしている会社はたくさんあるけれどもトップブランドを維持しています。回転数を減らしても構わないという考えはむしろ当時では非常識であったと思います。 このように他社がまねしにくい、まねしてもすぐには追いつけない戦略を練ることがとても重要と考えます。このまねしにくい戦略はいわば一種非常識なものが多いと思います。非常識と一見見える戦略をじっくり力を入れてできるかどうか、が競争戦略の要と思います。ただし、その非常識と思える戦略も時がたてば当たり前となるリスクは常にあります。次の戦略が常に必要です。

特に低価格戦略をとろうとしている会社は要注意です。と言いますのも人件費は常に上昇していきますので常に新しい会社が有利になりかねないからです。差別化戦略をとるよりも移り変わりが激しいのはそのためではないかと思っています。

主として焦点を絞り込む戦略ではその分野では一番を目指すものであり、差別化や低価格戦略とも矛盾はしません。ただ、この道もセンスが相当要求される分野かと思いますし、ここを頑張れば長く利益を出せそうではあります。
経営者の皆さんはどこまで深く考えて実行していますか?

ビジネス徒然草  Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.162(2024年12月号)

プロフィール

藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表
1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)

アネーラ税理士法人
福岡・天神・佐賀・北九州・東京・横浜・長崎の7拠点に事務所があります。総勢145名の専門家グループ税理士31名(有資格者含む)、公認会計士10名が集結した九州屈指の専門家が在籍するアネーラグループ。



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画像は2024年8月号です

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