絵本に学ぶ仕事術 ■有限会社ウーヴル 代表取締役 三宅 未穂子
自走する社内研修ツール「キラキラ社員のプログラム」は全員マネジメントできる組織に必要なマネジメントのコンセプト共通言語にすることができる。現在24冊の絵本から選び出して学べるようになっている。
その中で、チームに「働くと仕事の関係」を共通理解するのに有効な『にじいろのさかな』。プログラム利用者の中で最も人気の高いワークだ。
絵本の主人公である「にじうお」は、誰もがうらやむキラキラ輝く鱗を持っているのに、他の魚たちを相容れないために、一人ぼっち。そこで、にじうおは海の賢者に相談をする。賢者はキラキラの鱗を分けるようにと助言をする。その助言に従ったその時、にじうおは、キラキラが自分の外にあることで喜びを感じる。やがて、他の魚から求められ、最後の一枚になるまで分けていく。気づけば、目の前はキラキラな世界が広がっていた。
絵本は、キラキラとしたホログラムが美しい。現在はシリーズ作品となって物語が続いている。作者はスイスの作家。訳は、先日故人となられた谷川俊太郎さん。ロングセラーの人気絵本だ。
この絵本から、「仕事とは人の外にあり、働くとは人の内にある」言葉が立ち上がる。
鱗を他の魚に渡すまでを、仕事として考えてみよう。私たちの仕事の成果は、お客様の変化によってのみ知ることができる。仕事は人の外の世界に表れる。
次に、にじうおを働く人とメタファしてみよう。仕事を作っているのは人の考え方次第ということがわかる。いかに働くか!は人が決めている。にじうおが考え方を改めたことで、キラキラの鱗によってまわりは輝いた。
仕事の質を決めるのは一人ひとり個性を持った人である。つまりの多様な考え方・価値観をもった働く人が、あらゆる場面で適切な判断と選択ができるように、どのように考えたらいいか、何を選択したらいいか、マネジメントの原理原則を学んでほしいと願っている。
「仕事とは人の外にある。仕事はそのものの論理に従う」「働くとは人の内にある。働くことそのものの力学に従う」(ドラッカー)
私たちの2025年の仕事は、どんなキラキラを生み出すのだろう。もうすぐワクワクの新しい年がやってくる。
『にじいろのさかな』
作・絵: マーカス・フィスター
訳 : 谷川 俊太郎
出版社: 講談社
発行 :1995年
「絵本に学ぶ仕事術®」 Bis・Navi(ビス・ナビ) Vol.162(2024年12月号)
プロフィール
三宅 未穂子(みやけ みほこ)
有限会社ウーヴル 代表取締役
2005年2月25日創立、翌06年3月15日同社設立。企業向け研修やキラキラ社員のプログラム(社員によるいい仕事のための自社内研修プログラム)業務改善アドバイスを手掛けている。

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