経営者の知恵を後継者に残すことで100年企業の基礎を築きませんか

従業員の反対は蜜の味

ビジネス徒然草

ビジネス徒然草  ■アネーラ税理士法人 統括 藤本 周二

企業の寿命は30年持てば優良と言われます。アメリカを見ると30年あればむしろ巨大企業と倒産企業に分かれるように思えます。アマゾンなどを見ると厳しい競争の中で物流をコアによく考えられたものだとすごいと思います。この30年というのはオーナー企業であればそのオーナーの一線での活躍年数とほぼ一致しています。つまり30年もたてば時代が変化してついていく力を失うという事でしょう。
変化対応業が経営と言われます。この言葉は本当に的を得ていると思います。今は5年でかなり変化している時代と思います。そう考えると30年の変化はとても重いものだと思います。つまりビジネススタイルが大きく変化していると思わなければならないです。

ここで社内に目を向けてみます。創業30年となるとかなりのベテラン従業員がいます。ベテラン従業員は会社に今まで多くの貢献をしてくれたと思います。ただ、経営の外部環境は大きく変わっている。経営者が変化を感じて大きな社内改革をしようとしたと仮定します。多くの場合はベテラン従業員が大きく反対します。今まで自分たちは今のやり方で頑張ってきた。なぜ変わらないといけないのか?変わるのは無理。といった大反対が起きます。

経営は先ほども記載しましたが変化対応業です。変化に対応していない会社は新入社員からも選ばれません。従って衰退していきます。そう考えると変化は会社の生き残りのために必須事項です。しかし、多くの今まで会社に貢献してきた従業員は反対する。そこでとりあえず現状のままとする。
その場合変化についていけずに会社が衰退して従業員の給与も下げなければならなくなったとしたら、その責任は経営者にあります。従業員にはありません。そこが決定的に経営者と従業員の違うところです。

一方成功する経営者に次の言葉があります。従業員が全員反対なら改革はやりにくいが9割ほどの反対なら蜜の味だ。経営判断を重視してやるべき改革はやるという事です。これは一つの真理です。会社経営をしていると多少の従業員は変化を読みとっているという事です。したがって9割反対でも経営者がやるべきと判断すれば会社の長期継続のためにはやるべきです。

変化する場合には、今まで貢献してくれた従業員に対しての粘り強い説明が重要です。ここが経営者の力量の一つだと思います。この説得でむしろ結束は強くならなければなりません。まさしく、従業員の反対は蜜の味です。
経営者の皆さんはどう思われますか?

ビジネス徒然草  Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.161(2024年11月号)

プロフィール

藤本 周二(ふじもと・しゅうじ) 【公認会計士】
アネーラ税理士法人 統括・東京事務所代表
1959年12月生まれ、福岡市出身、中央大学法学部卒。98年12月藤本公認会計士事務所を設立、所長に就任。2009年8月にエスペランサ税理士法人を設立し、理事長に就任。12年1月エスペランサコンサルティング株式会社、15年3月九州M&Aサポート株式会社、20年12月九州有限責任監査法人を設立。19年エスペランサ税理士法人をアネーラ税理士法人に改称。
信条:至誠天に通ず
著書:『社長の品格』(海鳥社刊)

アネーラ税理士法人
福岡・天神・佐賀・北九州・東京・横浜・長崎の7拠点に事務所があります。総勢145名の専門家グループ税理士31名(有資格者含む)、公認会計士10名が集結した九州屈指の専門家が在籍するアネーラグループ。



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画像は2024年8月号です

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