■株式会社ワイコム・パブリッシングシステムズ社長 田上恭由氏
SNSやショート動画など新しいデジタルマーケティング手法が次々と登場し、従来のホームページによる集客は時代遅れだと考える方も少なくありません。しかし、実はWebサイトを活用した集客には、まだまだ大きな可能性が眠っているのです。
なぜこれまでのWeb集客は限界と言われているのか?
従来のWeb集客では、「今すぐ購入したい」という即効性の高い顧客層だけをターゲットにしていました。しかし、この層は全体のわずか1割程度。多くの企業がこの狭い市場で競合していたため、成果が伸び悩んでいたのです。
実は、Webで情報を探している人の9割は「潜在顧客」。すぐには購入しないものの、将来的な購買を見据えて情報収集をしている層です。この大きな市場を見逃していては、事業の成長機会を逃してしまいます。
成功するWeb集客の新しいアプローチ法
潜在顧客の心をつかむには、「ピンポイント」の情報提供が鍵となります。例えば、商品の選び方や会社の選定基準など、購入を決めている人が次のステップをどうしたらよいのかの情報が刺さります。特に効果的なのが、過去の「納入事例」の紹介です。
具体的な成功事例を見てみましょう。ある建設関連企業では、月5~10本の納入事例を継続的に発信することで、10年以上にわたって20件以上の新規引き合いを獲得し続け、社員5人が5倍になりました。。また、ある戸建て住宅建設会社は、営業社員10人が建設中の住宅の工事進捗をアップし続けて、社員が3倍に増えました。このどちらもが、普通に事例をアップし続けているだけです。

情報発信の頻度については、理想は毎日1本です。社内で5人のチームを組めば、週1本ずつ担当することで、安定した情報発信が可能になります。書き手が一人だけで負担が重すぎる場合は、最低でも週1本のペースを維持することをお勧めします。
記事作成の負担を軽減して継続するコツは、いかに短時間に記事を用意するかです。今なら生成AIを活用し、音声のテキスト変換アプリで、一つのテーマについて自由に語り、音声をテキストに変換し、それを生成AIに読ませて記事化する方法が、最も効率的で、新入社員でもできます。ちなみにこの記事もこの方法で作成しましたよ。
また、どの事例がどんな潜在顧客の心に響くかは予測できません。そのため、できるだけ多くの事例をアップし、反応の良かったテーマを深掘りしていく、「あまり頭で考えないで、とにかく実行する戦略」が効果的です。購入に至るまでの課題や悩みは人それぞれ。その多様なニーズに応えられるよう、豊富な事例コンテンツを用意することで、より多くの潜在顧客との接点ができ、中長期的な事業成長の道が見えてきます。
IT時代に乗り遅れるな Bis・Navi(ビス・ナビ)Vol.161(2024年11月号)
プロフィール

田上 恭由(たがみ やすゆき)
㈱ワイコム・パブリッシングシステムズ 代表取締役
「ふくおか経済」記者・営業、中古車情報誌編集者、システム開発者を経て、平成9年個人創業、翌年法人成りして現職に。上級ウェブ解析士、採用定着士。小規模事業者のウェブサイト構築実績は七百件以上。顧客獲得や採用の課題を解決する手法に定評がある。IT導入補助支援事業者、認定支援機関として、補助金獲得実績も多数。
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